催涙雨(七夕の雨) [フィクション]
◎ 催涙雨 (七夕の雨)
七夕の日の雨を、催涙雨(さいるいう)と言うそうだ。
7月7日、年に一度だけ会うことを許された、
織姫と牽牛(彦星)が、雨が降ると、
天の川の水かさが増して、この年だけは、
会うことができず、川面に映る姿に想いをはせる・・・
という、七夕伝説。
何とも胸がしめつけられる様な言い伝えである。
人の想いは伝わる・・・のだろうか?
会いたいけど、会えない・・・
行く気になれば、二時間ほどで行けるから
近いよ・・・という彼に
私の中では近くない距離である。
遠いよ、遠い。
近いと思うならば、来てみぃ~。
来えぇ~へんくせに!
と言い返せない、私がいる。
私は不思議な魔法の粉を密かに精製する
(変な粉ではありませんよ!)
この粉がふりかかると、どんな人でも
恋心にあかりが灯される。
そんな、不思議な魔力(?)を持っているからして、
振り向いてくれるはずなのに・・・
私のマジックの期限もそろそろ切れはじめたのか?
さらに継続されるバージョンUPを図らねば・・・
と、駆け引きは続くのである。
さて、悪天候の今日、そんな雑念のかけらも無い
織姫と牽牛は会えたのだろうか?
織姫と牽牛が流す涙、催涙雨を感じながら
夜空を見上げると、切なくなるなぁ~。