響かぬ願い。 [フィクション]
心の中に期待と不安とあきらめがある。
それは、うす曇の空から差し込むピンポイントの光の筋を
手でつかむような、感じである。
どんな時にも、何があっても前向きに考えて進むことが
私のとりえだとしても、どうにもならない時もある。
唇をかみしめて、出てくる涙をこらえるのが精一杯・・・
言葉では語らぬ想いも届くことはなく、
身体の一部をそぎ落とされる、痛みを耐えるように
背中を丸めて眠りにつく。
終わりを告げる、柱時計の音も耳には入らず、ただ眠るだけ。
夢から醒めない奥深くに・・・二度と醒めない眠りに。
朝の来ない夜はないのに。